ATTACとは?
 正式には、「Association for Taxation of financial Transactions for the Aid of Citizens」(市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション)の頭文字を略称したものです。
 「ATTAC」は、1998年フランスで最初に創設され、今では日本を含め世界51ヶ国に設立されているグローバル・アソシエーション(NGO)です。

 新自由主義グローバリゼーション下の世界
 グローバリゼーションによって誕生した新自由主義はさまざまな弊害(貧困、飢餓、戦争、差別、失業、労働条件の悪化、人権侵害、遺伝子組み換え食料など)を産みだしました。
 2004年世界銀行が発表した統計によると、途上国と呼ばれる国々では10億人が貧困地区に住み、毎日8億人が飢えに苦しみ、2700万人の成人が奴隷状態にあり、毎日3万人のこどもたちが治療すれば治る病で命を落とし、2億人が衛生的な飲料水を確保できないでいます。
 多国籍資本の製薬会社によって高く設定されている薬の値段は途上国の貧しい人々の寿命を縮めています。現在、世界では年間61万1千人が 麻疹で、160万人が結核で、180万人下痢で、400万人が呼吸器系疾患で、280万人がHIVで亡くなっています。その圧倒的多数が、貧しさゆえに治 療を受けられず薬を買うこともできないアフリカなどの貧しい国々の人々です。
 その一方、2002年には世界で最も裕福な147人の資産家の資産が1兆ドルを超えています。世界で最も豊かな497人の資産合計が1兆 5千億ドルを超えています。この年、世界で最も資産のある。7人の資産合計は、最も貧しい49の国々のGDPを上回っています。これら49カ国の総人口は 6億5000万人です。先進国では過剰な生産によってモノがあふれかえり、労働者は長時間労働と低賃金にさらされ不安定な非正規雇用で働かされています。

 日本でも毎年、自殺者は3万人を超え、労働者の年収は減り、生活保護世帯数は増え続け、この10年間の間、正規雇用の労働者は407万人減り、フリーターやパートなどの非正規雇用の労働者は650万人増えています。
 なぜ、このような事がおこるのか?モノがあ増れかえっているのに人々が飢えと貧困にさらされ、失業者があふれかえっている一方、凄まじい長時間労働とサービス残業にされされる。(しかも低賃金で) なぜ?なぜ?なぜ?・・・・

 通貨危機
 1998年当時「アジア通貨危機」によって、タイ・インドネシア・韓国などの通貨が次々と大暴落し、何百万という人たちが失業と貧困の中に投げ込まれました。
どうしてこのような「通貨危機」が発生したかというと、その背後には、 まがいの一獲千金を求めて地球規模で動きまわる「ヘッジファンド」といった、投機的な金融資本の暗躍があったからですが、国際社会はその規制を何ら行わず、放置したままにしていたのです。

 トービン税(通貨取引税)を実現しよう!
 このグローバルな金融資本の暗躍を規制するために、国際的な税金をかける運動を呼びかけ投機に歯止めをかけるためにATTACは結成され、それは全世界にひろがりました。
この国際的な「通貨取引税」は、最初にこのアイデアを提案したノーベル経済学者の名前をとって「トービン税」と呼ばれていますが、
金融危機を招く恐れのある投機目的の取引を規制し、同時にそこで得られた税金を世界の貧困削減や開発援助の資金に回そうというもので、二つの目的を同時に果たすことの出来る画期的な提案でした。
 1兆8000億ドル(200兆円
世界で取引される通貨の総額です。世界がトービン税(通貨取引税)を導入すれば、
年間3000億ドル(35兆円)の税収が取れます。これを公正な国際機関の管理の下で世界の貧困や飢餓、医療、失業、環境問題へ取り組めば、大きく活用する事ができます。
 わたしたちはこのトービン税(通貨取引税)を実現するために世界のATTACや新自由主義グローバリゼーションによってひきおこされる諸 問題に対して取り組み、活動するNGO,市民団体、そして労働同組合と連携しながら、様々な活動(学習会、映画上映会、講演会、または集会、デモなどの街 頭アクション)を行っています。ひとつひとつの「なぜ?」を解明し、行動し、戦争や貧困、飢餓や差別のない世界、「もうひとつの世界」をめざして活動しま す。

 もうひとつの世界は可能だ!

 「ATTAC」は、いま世界で推し進められている「グローバリゼーション」には、大きな不公正、不平等、不正義があると考えています。
 欧米先進国が進めている「グローバル化」とは、主として巨大な多国籍企業の利益のために、地球規模での営利活動の「完全自由化」を目指す もので、世界の市民が自由に国境を越えて往来できる「グローバル化」でも、お互いに助け合うためのつながりを作り出そうという「グローバル化」でもありま せん。むしろ本来、商品化や金儲けにしてはいけない、市民のための「医療・保健衛生」、「教育」、「水道・交通・通信」などの「生活インフラ」や「公共 サービス」を、すべて「商品」にして利潤追求の対象を拡大することもくろむものです。
 また利益最優先の市場原理主義によって、自然環境を破壊し、働く人の労働条件などに配慮しない「弱肉強食のジャングルの掟」を唯一のルールにしようともしています。

 「ATTAC」は、このような「グローバリゼーション」に反対して、
「世界は売り物ではない」、「もうひとつの世界は可能だ」と呼びかけています。
 この呼びかけは、「貧困」・「差別」・「戦争」・「不平等」に満ちた現在の地球世界を変えて、世界の市民たちが真に、「公正」・「平 等」・「平和と正義」によってつながりあえる「もうひとつの世界」(オルタ・グローバリゼション)を実現させようという活動として、地球規模で展開されて います。


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